第3回ランドスケープセミナーが盛況の内に終了しました。

平成22年度「第3回九州ランドスケープセミナー」 要旨録
平成22年9月24日(金) 
於:天神ビル11F会議室
(1)開会あいさつ  堤 八恵子 氏
昨年に引き続き第3回のランドスケープセミナー開催となった。ご多忙中にも係らず70名の参加があり感謝。今回のセミナーはワークショップの技術向上を目指して企画した。開催にあたっては、福岡・北九州両市のご協力のもと、ワークショップについての話題提供も頂くこととなった。基調講演に田坂氏、実践に志賀氏を招き参加者のレベルアップを目指したい。
(2)「公園行政の取組みやWSのねらい①」 北九州市緑政課長 木原 英雄氏
 公園行政に関して30年以上携わってきた中で今年初めて本格的なWSを経験した。主な内容は①市民参加による公園づくり事業②地域に役立つ公園づくり事業③中心市街地活性化広場公園整備事業(黒崎地区)の3つ。いずれも住民参加としてワークショップ形式によるものであるが、利用や満足度が上がり住民の意識高揚が図れ、意見の集約化もできた。但し、参加者の年齢層が高めで偏りがちな点や参加者以外の意見収集の仕方、ファシリテーターの能力差も感じられた。
(3) 「公園行政の取組みやWSのねらい②」 福岡市公園建設課長 田代 和則氏
 今セミナーの開催に先立ち、課内でワークショップの現状と課題についてまとめてみた。福岡市では平成15年度よりワークショップを実施しており、年々数も増加。年10件位の割合で実施している。事例として小田部中央公園のワークショップでは全5回を実施し、比較的出来の良いWSニュースがまとめられたので、紹介(PPTによる)。実際にワークショップを実施してみた課題としては、運営やファシリテーションの力量、ランドスケープ専門家としての意見が重要ではないかと感じた。また、場の雰囲気づくりや話のまとめ方、意見の調整力にも差異があると感じた。ワークショップの目的や効果については事前によく考えておく必要があるし、常に研鑽・伝承・共有することも大切。
(4) 「安心できるファシリテートとは」 日本ファシリテーション協会監事 田坂 逸郎氏
 日本ファシリテーション協会はワークショップ普及のためのNPOで全国に1600人の会員がいる。年間数百回開催することもあるが、開催の度様々な思いをする。今回は一方的な話しだけではなく、皆さんにも参加していただきながら話を進める。先ずは含めバズセッション(ハチのおしゃべり)として、隣同士で話しをしてもらい、話すことで何かを感じたり、見出して頂きたい。ファシリテーションを行う上でいくつか留意しておくべき点がある。①たくさんの人から色々な意見が出るよう、開催の主旨をよく伝え、不穏な空気とならないよう、場の安全性を確保する。②できるだけ発言者の意見に寄りそってあげるが、常に外側の立場として話の軸を見出せるよう心がける。③ワークショップは「工房型店舗」とも言われるが、話したいことが話せ、できるだけ意見が活かせる場の創出が大切。④ファシリテーターは「発芽促進剤」のような役割である。個々の意見を上手に聞きながら、最終的な合意を目指す。⑤ファシリテーターは専門技術者でもあるので、ファシリテーターとしての中間的立場を上手く使い分けることも必要。⑥ファシリテーションは自転車の運転と同様にバランスをとりながら前に進み続けるものである。皆さんも勇気を出して「ファシリテーション」という自転車にまたがり、研鑽を続けていただきたい。 *田坂氏の説明は志賀氏が随時模造紙に書き起こして掲示
(5) ワークショップの実践 こうのす里山くらぶ代表 志賀 壮史氏
参加者全員が誕生日順に並び替え、1班~6班に分かれて実践を開始。先ずはワークショップの経験上困った事柄を各自が付箋紙に書いて班内で発表。出された意見を同類意見ごとにグループ化(KJ法)してさらに班内の意見を集約。班ごとに発表してワークショップ実施における課題を共有。班ごとに出された意見について田坂氏がコメント

2020年11月11日 CLA九州